複雑骨折。
これは柔道整復師の国家試験でひっかけ問題としてよく使われる。
複雑骨折とは骨が粉砕された骨折ではない。
複雑骨折の別名は開放性骨折といい、損傷部の皮膚が破け外界と骨折部とが交通した状態をいう。
ひどい時には骨片が皮膚外に露出する。
開放性骨折はとても危険である。
骨髄などに細菌感染の危険性がある。
開放性骨折は6時間以内に適切な創処理を行うことにより、一次的に創閉鎖が可能といわれている。
ならば複雑脱臼というものはあるのか?
あるんです。
知恵の輪みたいに複雑で関節から外れた骨を元に戻せない、というわけではない。
複雑脱臼も別名を開放性脱臼という。
関節には関節を包む関節包という組織がある。
関節包の中を関節腔という。
脱臼すると大抵この関節包が破ける。
複雑脱臼とは脱臼した際に皮膚が損傷し外界と関節腔が交通したものをいう。
これも関節腔に細菌が入る恐れがあるので危険。
人と人との複雑な関係は開放的ではない。